虫歯(カリエス)はどのくらいの期間で出来るのか

虫歯の必要条件としてバイオフィルムプラーク)があります。

これが除去できていないと、当然いつかは虫歯になります。

 

ではいったいどのくらいの期間で虫歯(カリエス)は出来るのでしょうか?

 

口腔内でバイオフィルムを意図的に除去しない実験が以前行われたそうです。

その結果

 

1週間経過

肉眼では変化が見られない。しかし、電子顕微鏡による観察では、エナメル質表層で結晶の溶解が生じている。

最表層から20~100μmの深さまで軽度の無機質の喪失が起こっている。

つまりこの段階で虫歯が出来始めているということですね。

 

2週間経過

よーく見ると肉眼で白濁して見える。

最表層に比べて内部のエナメル質から無機質の喪失が優先的に起こっている。

表層下脱灰という専門用語がありますが、これです。

要は2週間も経過すれば、見た目の色が白っぽくなりますよってことです。

 

3~4週間経過

明らかな白濁が見える。

この時点では注意して見なくても、明らかに白く見えるわけです。

つまり、ご自身でも気づけるはず。

 

考察

バイオフィルムプラーク)が付着した状態は1週間も経過すれば

虫歯になるということが分かりました。1週間も歯を磨かないという人は

いないと思いますので、基本的にはうまく磨けていないところで虫歯が

発生します。

歯の間や、歯肉の付近、歯の溝などが虫歯の好発部位です。

また1ヶ月くらいすると白く見えるほどに変わるということですが、

実はこの程度の虫歯であれば、現在は削らずに治癒させることができます。

それこそ再石灰化という体の力を使うことができます。

 

そう考えると、定期検診は普段3ヶ月おきくらいをお勧めしていますが、

歯磨きに自信がない人は1ヶ月おきくらいがいいのかもしれませんね。